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スッパバンド"KONTAKTE"

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DJミステイクからいただいたスッパバンドの初アルバム"KONTAKTE"のサンプル、何度も何度も聞かせていただいています。

スッパマイクロパンチョップとしての初アルバムは'98年の「S.M.P.E.P」7incのアナログ版なのですが、何故15年間もこんな逸材が放っておかれるのか全く理解できません。
いや、放っておかれたからこそ今回のアルバムは生まれたとも言えますけど。

KONTAKTEは、相変わらずのあったかくてちょっとニヤリとしてしまうようなポジティブな音楽と歌声に加えて、純粋すぎるが故の切なさ悲しさと、毒性のある言葉の感じがなんともジワジワグサグサきてしまいます。

個人的には、しらけ世代以降〜現代までの、画一化された平和のなかで育っている僕らも含めた世代間にあるもやもやしたものを代弁している言葉にも感じられるので、ある意味普遍的な、ある意味尾崎的な(笑)、かなり幅広い層へのポップソングになっているのではないかと思いました。

この感じは例えば '99年作のスッパマイクロパンチョップのソロ「カエルに会えてよかった」でも感じられるのですが、スッパバンドではより現実的で直接的な表現が多くなっていいるように思えます。

そしてスッパさんを完全に理解しているメンバーが、それぞれの個性的な感性も乗っけながら、スッパ的感覚のアンプ(増幅器)となっていて、よりスッパ度を強調していると思いました。

おそらく何年にも渡って同じ曲をライブしまくったことで、楽器うまくなる、とか一般的な到達点に全く目もくれない独特の"スッパ感"を持って、かなり高いところに行ってしまったような気がします。
色んなジャンルの音楽を飲み込みつつも、色んなジャンルの音楽が置いてけぼりです。

ちなみに僕はラストの曲「キアヌリーブス」が大好きです。

冒頭は

「赤い煙がでるかと 林檎を燃やしたところで
煙はやっぱり白髭色の煙しかでなくて
煙はやっぱり白髭色の煙しかでなくて」

と、スッパさんのイマジネーションの世界感で始まったかと思いきや、中盤から

「オヤジギャグだのサブイだの文句つけられて」

とか

「駅のホームの5つ並びの椅子の偶数席に1人座るオッサンの横にわざわざ腰掛けて
アンタは奇数席に座るべきだったんだと問いかけた」

と急に日常にツバを吐いているような歌詞になりつつも

「給食の班の名前はキアヌリーブスだって 昨日あーちゃんが言ってた」
「給食の班の名前はキアヌリーブスだって 昨日あーちゃんが言ってた」

と連呼し、まるで小学生の頃の日常会話のようなものが現在の歌詞にクロスオーバーしてきます。

映像で言うと、40代の現在のスッパさんと10才の頃のスッパさんの顔がアルファ値を50%にしてパカパカ重なっているようなイメージです。

そしてこの曲のラストの言葉でもあり、アルバム「KONTAKTE」のラストでもある歌詞

「クラス替えのメンバーが希望どーりになったら
僕は確実にクラスの人気者で
でも、そんなことあり得ないし
あってもいけないことだと 思う。」

と、これまた小学生の頃の言葉とも見て取れるような、切なくある種力強い言葉で締めくくられています。

これは大人になった今でも全くあの頃の心情と変わっていないという隠喩でもあるのではないかと思います。おそらく。
切なすぎます。。(しかし曲は超ポップ!)

日常の空想 → 日常の現実やもやもや → 幼い頃の何気ない会話 → 幼い頃の心情
→ 現在の自分

と、この曲1曲を取っても、歌詞のシークエンスの構成とさらには音との合わせ方やドラマ作りは本当に天才的だと思います。ファンタジーです。

「キアヌリーブス」歌詞
http://d.hatena.ne.jp/suppam/20110706/1309959822


歌詞ばかりに触れてしまいましたが、
曲の方は、スッパバンド独特で説明が難しい。
MC-505を握ったスッパさんが電子スッパであるならば、バンドスッパとでも言いましょうか。
しかし曲の展開やギターにディストーションを使っているという意味ではロック色が強いのだとは思います。
僕はロックがさほど詳しくないので、この辺りはカンガルーポーのコウちゃんにも聞いてみたいところです。

それから上で引用している歌詞の中で「あーちゃんが言ってた」の部分においては
何人かのユニゾンで歌われるのだけれども
1回目はスッパさんの声だけがちょっと遅れて入ってきて
2回目ではスッパさんは歌わずコーラスだけに歌わせている。
この辺りのライブ感の出し方というか、出し入れのさじ加減のセンスが素晴らしすぎる!
かっこよす!(細かいっスか?)

スッパさんの音楽は常に完全にはシーケンスに載せないというか、デジタル的なクオンタイズから常に逆行していて、微妙なもたり感とかライブ感とかを意識しているように思えて、ゆえにどんな手法で音楽を作ろうが有機的なものになってしまいます。
電子スッパでのMC-505のみの曲でさえ、ホカホカした体温を感じます。

そういったものがスッパバンドはやはりライブで聞かないとなかなか伝わらないのでは?と思っていたのだけど、今回見事に録音パッケージ化されていると思いました。

というわけで、とにかく1人でも多くの人に聞いて欲しいと願うばかりです。
そしてリリースパーティには是が非にも行きたいと思います!
そして、ちゃんとアルバムも買わせていただきます!


ー KONTAKTE

kontakte.jpg


ースッパバンド
https://sites.google.com/site/suppaband2/

ースッパマイクロパンチョップ
http://suppasuppa.web.fc2.com/

12.12.09.PM08:30

Voice

1

Well I really enjoyed reading it. This information procured by you is very practical for correct planning.

2016.12.08 | post by Michael url

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