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トウキョウソナタ

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46歳でリストラされた父親、なんとなくバイト生活の長男、学校で担任と微妙な関係にある次男、そして父親と息子たちのぎくしゃくした関係の中で、黙って家族を支え続ける母親。

一見そこまで不幸な家庭ではない。
しかし、それぞれの思惑や置かれた状況の微妙なずれが不協和音を呼び、おおきな歪みになっていく。

作品全体の雰囲気はマイク・リー監督「秘密と嘘」「人生は時々晴れ」にも似ていて、ミニマルな演出から思いもよらない方向に話は流れ、美しいエンディングへと展開していく。

キャスティングは皆はまっていて、特に香川照之の演技は圧巻である。
しかし役所広司の泥棒役だけは、少し舞台っぽい熱い演技で浮いている印象を持った。小泉今日子との絡みしかなく、多分多忙な方なので、作品の雰囲気をうまく把握しないまま演技に望んだのかもしれない。もしくは敢えてのそういった演出だったのだろうか。(ファンなので少し残念)

ホラー映画を普段あまり見ないので黒沢清監督の作品は初めて見たのだが、日本人の不自然さを少しだけ過剰に演出したり、説明くさくない演出には非常に好感を持つことができた。

そしてなんといってもFlyrec.からもソロアルバムをリリースしている橋本和昌が音楽を担当していることに大感動。
キャッチコピーでもある「不協和音」にマッチした、少しだけ悲しげで美しい音楽である。
カンヌで賞を取った作品で身近な人が参加していることが非常に嬉しい。

トウキョウソナタ公式サイト:
http://tokyosonata.com/index.html

橋本和昌オフィシャルサイト:
http://kazumasa-hashimoto.net/

09.06.24.AM02:57

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